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7月27日号 THF Communication No.303
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■■ THF Communication !!
■ <No.303>
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◆ What's New ◆
~最新のTHF関連トピックスを紹介します~
□田中喜代次(THF代表取締役、筑波大学名誉教授)コラム
~高血圧症に処方されるβ遮断薬とα遮断薬~
β遮断薬は、交感神経のβ受容体を遮断することで心臓の働きを抑え、血圧を低下させる薬剤である。β1受容体は心拍数や心筋収縮力の増加に関与し、β2受容体は気管支や血管の拡張に関与する。これらを遮断することで、心拍数および心拍出量(1回拍出量×心拍数)を減少させるとともに、腎臓のβ1受容体を介したレニン分泌も抑制する。
代表的な薬剤として、ビソプロロール、カルベジロール、メトプロロール、アテノロールなどが挙げられる。メトプロロールは、神経調節性失神や冠動脈CT検査前の投与などに用いられる場合もある。これらは心筋梗塞後や心不全、不整脈を有する患者に広く使用されている。
近年では、高血圧治療における第一選択薬としての位置づけは相対的に低下しているが、日本高血圧学会(JSH)ガイドラインでは、依然として第一選択薬の一つとされている。
副作用としては、徐脈、めまい、倦怠感、気管支収縮などがある。服用初期には効果や体調の変化がみられる場合があるため、注意が必要である。また、β遮断剤の副作用として、糖・脂質代謝に悪影響を及ぼす可能性があり、糖尿病や脂質異常症には注意が必要である。
α遮断薬は、血管平滑筋に存在するα1受容体を遮断することで血管を拡張させ、血圧を低下させる薬剤である。α1受容体が刺激されると血管収縮や末梢血管抵抗の増加が生じるが、この作用を抑制することで降圧効果を示す。
この受容体刺激は、交感神経の活性化によりノルアドレナリンなどのカテコールアミンが放出され、血管平滑筋のα1受容体に結合することで生じる。精神的ストレス、運動、出血、寒冷環境などが誘因となる。
代表的な薬剤として、ドキサゾシンやテラゾシンなどが挙げられる。これらは前立腺肥大症を有する患者にも有効である。
副作用としては、起立性低血圧によるめまいやふらつき、初回投与時の失神などが報告されている。また、血圧低下に対する代償反応として心拍数の増加(反射性頻脈)がみられる場合がある。服用後は経過観察が重要である。
なお、本内容は国内外の高血圧治療ガイドラインおよび関連研究を踏まえて整理したものである。
【執筆:田中喜代次(茨城県薬剤師会倫理委員会委員長、日本介護予防・健康づくり学会理事長)】
【監修:吉村隆喜(育和会記念病院院長、循環器内科)】
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◆ Academic News ◆
【British Journal of Sports Medicine】
英国の大規模なコホート研究に参加した約7万2千人を対象とした研究で、加速度計で測定した身体活動量と死亡リスクとの関係を調査した。速歩きなどの中高強度の運動だけでなく、ゆっくりした歩行や家事などの低強度身体活動でも、身体活動量が多いほど死亡リスクが低い傾向がみられた。特に高強度運動が少ない人では、低強度身体活動の効果が大きく、1日約3~4時間、低強度身体活動を行うことが有益と推定された。激しい運動が難しい人でも、日常生活の中でこまめに体を動かすことが健康維持に役立つ可能性が示された。
https://bjsm.bmj.com/content/60/13/941.long
【Lancet Public Health】
米国の大規模な前向きコホート研究で、約10万人を長期間追跡し、身体活動と認知機能の関係を調査した。その結果、身体活動量が最も多い人は、最も少ない人に比べて認知症の発症リスクが28%低く、物忘れなどの認知機能低下を自覚するリスクも23%低いことが分かった。また、身体活動量が多いほど認知機能テストの成績も良好であった。歩行や有酸素運動でも同様の傾向がみられ、日頃から体を動かす習慣が、年齢を重ねても脳の健康を保つのに役立つ可能性が示された。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2468266726001234?via%3Dihub
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◆気になる健康関連ニュース◆
□がん死亡率低下など改善傾向 第4期がん対策基本計画の中間評価
厚生労働省は2026年7月、第4期がん対策推進基本計画(2023~2028年度)の中間評価報告書を公表した。報告書では、がんの年齢調整死亡率や罹患率の改善、がん患者が「自分らしい日常生活を送れている」と感じる割合の向上など、全体として一定の成果が認められたとしている。
がん予防分野では、予防方法の普及啓発や科学的根拠に基づく検診の充実が進み、死亡率・罹患率とも改善傾向にあると評価された。一方で、がん検診受診率60%の目標達成に向け、未受診者への個別勧奨や就労状況に応じた受診促進策の強化が課題とされた。
がん医療分野では、多くのがん種で5年生存率が向上しており、医療の質の向上や医療提供体制の効率化が進展していると評価された。しかし、希少がんや若年がん患者への専門医療へのアクセス向上、支援体制の強化が必要と指摘された。
また、がんと共生する社会づくりでは、「自分らしい生活を送れている」と感じる患者の割合が約79%に達したが、就労支援や小児がん患者への支援には課題が残る。報告書は、次期第5期基本計画に向け、目標設定や評価指標の見直しを進めるべきと提言している。
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◆ お知らせ ◆
□次号の発刊は、令和8年8月31日(月)です。
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連日の猛暑に圧倒されつつも、冷たいすいかを頬張り、冷えた麦茶を喉に鳴らす、そんな夏の小さなおいしさに救われる日々です。まぶしい太陽が照りつける毎日ですが、どうぞ皆さま、お体に気をつけて健やかな夏をお過ごしください。
【発行】株式会社THF( support@thfweb.jp )
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□ 当社についてのお問合せ
→ Tel:029-861-7617/Fax:029-861-7618
□ ホームページ → http://thfweb.jp/
(メルマガが不要な方はこちらより登録解除を行なって下さい)
□ Facebook
→ https://www.facebook.com/THF.TsukubaHealthFrontier
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~高血圧症に処方されるβ遮断薬とα遮断薬~
β遮断薬は、交感神経のβ受容体を遮断することで心臓の働きを抑え、血圧を低下させる薬剤である。β1受容体は心拍数や心筋収縮力の増加に関与し、β2受容体は気管支や血管の拡張に関与する。これらを遮断することで、心拍数および心拍出量(1回拍出量×心拍数)を減少させるとともに、腎臓のβ1受容体を介したレニン分泌も抑制する。
代表的な薬剤として、ビソプロロール、カルベジロール、メトプロロール、アテノロールなどが挙げられる。メトプロロールは、神経調節性失神や冠動脈CT検査前の投与などに用いられる場合もある。これらは心筋梗塞後や心不全、不整脈を有する患者に広く使用されている。
近年では、高血圧治療における第一選択薬としての位置づけは相対的に低下しているが、日本高血圧学会(JSH)ガイドラインでは、依然として第一選択薬の一つとされている。
副作用としては、徐脈、めまい、倦怠感、気管支収縮などがある。服用初期には効果や体調の変化がみられる場合があるため、注意が必要である。また、β遮断剤の副作用として、糖・脂質代謝に悪影響を及ぼす可能性があり、糖尿病や脂質異常症には注意が必要である。
α遮断薬は、血管平滑筋に存在するα1受容体を遮断することで血管を拡張させ、血圧を低下させる薬剤である。α1受容体が刺激されると血管収縮や末梢血管抵抗の増加が生じるが、この作用を抑制することで降圧効果を示す。
この受容体刺激は、交感神経の活性化によりノルアドレナリンなどのカテコールアミンが放出され、血管平滑筋のα1受容体に結合することで生じる。精神的ストレス、運動、出血、寒冷環境などが誘因となる。
代表的な薬剤として、ドキサゾシンやテラゾシンなどが挙げられる。これらは前立腺肥大症を有する患者にも有効である。
副作用としては、起立性低血圧によるめまいやふらつき、初回投与時の失神などが報告されている。また、血圧低下に対する代償反応として心拍数の増加(反射性頻脈)がみられる場合がある。服用後は経過観察が重要である。
なお、本内容は国内外の高血圧治療ガイドラインおよび関連研究を踏まえて整理したものである。
【執筆:田中喜代次(茨城県薬剤師会倫理委員会委員長、日本介護予防・健康づくり学会理事長)】
【監修:吉村隆喜(育和会記念病院院長、循環器内科)】
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英国の大規模なコホート研究に参加した約7万2千人を対象とした研究で、加速度計で測定した身体活動量と死亡リスクとの関係を調査した。速歩きなどの中高強度の運動だけでなく、ゆっくりした歩行や家事などの低強度身体活動でも、身体活動量が多いほど死亡リスクが低い傾向がみられた。特に高強度運動が少ない人では、低強度身体活動の効果が大きく、1日約3~4時間、低強度身体活動を行うことが有益と推定された。激しい運動が難しい人でも、日常生活の中でこまめに体を動かすことが健康維持に役立つ可能性が示された。
https://bjsm.bmj.com/content/60/13/941.long
【Lancet Public Health】
米国の大規模な前向きコホート研究で、約10万人を長期間追跡し、身体活動と認知機能の関係を調査した。その結果、身体活動量が最も多い人は、最も少ない人に比べて認知症の発症リスクが28%低く、物忘れなどの認知機能低下を自覚するリスクも23%低いことが分かった。また、身体活動量が多いほど認知機能テストの成績も良好であった。歩行や有酸素運動でも同様の傾向がみられ、日頃から体を動かす習慣が、年齢を重ねても脳の健康を保つのに役立つ可能性が示された。
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□がん死亡率低下など改善傾向 第4期がん対策基本計画の中間評価
厚生労働省は2026年7月、第4期がん対策推進基本計画(2023~2028年度)の中間評価報告書を公表した。報告書では、がんの年齢調整死亡率や罹患率の改善、がん患者が「自分らしい日常生活を送れている」と感じる割合の向上など、全体として一定の成果が認められたとしている。
がん予防分野では、予防方法の普及啓発や科学的根拠に基づく検診の充実が進み、死亡率・罹患率とも改善傾向にあると評価された。一方で、がん検診受診率60%の目標達成に向け、未受診者への個別勧奨や就労状況に応じた受診促進策の強化が課題とされた。
がん医療分野では、多くのがん種で5年生存率が向上しており、医療の質の向上や医療提供体制の効率化が進展していると評価された。しかし、希少がんや若年がん患者への専門医療へのアクセス向上、支援体制の強化が必要と指摘された。
また、がんと共生する社会づくりでは、「自分らしい生活を送れている」と感じる患者の割合が約79%に達したが、就労支援や小児がん患者への支援には課題が残る。報告書は、次期第5期基本計画に向け、目標設定や評価指標の見直しを進めるべきと提言している。
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□次号の発刊は、令和8年8月31日(月)です。
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