10月27日号 THF Communication No.294
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■■ THF Communication !!
■ <No.294>
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◆ What's New ◆
~最新のTHF関連トピックスを紹介します~
□田中喜代次(THF代表取締役、筑波大学名誉教授)コラム
~脳梗塞に関して ③心原性脳塞栓症(脳梗塞)の再発防止策としての薬物治療~
従来より、抗凝固療法の一つとして、ワーファリン(独語読みでワルファリン)が高頻度で処方されています。心房細動が起きるだけで抗凝固療法や抗不整脈薬療法、あるいは心拍数を顕著に抑える交感神経遮断薬(β遮断薬)療法が採用されることもあり、特に赤血球数が多く(多血症)、ヘマトクリット値が高い場合や血小板凝集能が高い場合には、心原性脳塞栓症の発症率が高まると報告されています。また、10年以内に心原性脳塞栓症(または脳梗塞)が再発する確率は3~5%(10年で30~50%)と高いため、ワーファリンのような抗血栓薬(いわゆる血液サラサラ薬)が使用されてきました。このワーファリンを服用している中で、健康食品と言われる納豆、青汁、クロレラなどを摂取すると、抗血栓効果が弱まることがあり、塞栓症の再発確率が高まるリスクを回避するために、特に薬との食べ合わせについて主治医から注意が出されることもあります。
そういったワーファリンの弱点を補う作用を有する薬として、DOAC(direct oral anticoagulant:直接経口抗凝固薬)という新しいタイプの薬が処方されるようになりました。DOACが発売された当初は、ワーファリンの弱点をカバーする画期的な新薬(食制限が不要、薬の相互作用が少ない)という特長が発信されていたものの、最新の観察研究によると、消化官(器)系の出血頻度が増すという一種のネガティヴな科学的エヴィデンスも一部で発表されており、さらなる研究成果が待たれるところです。
(監修:吉村隆喜(育和会記念病院病院長、医学博士))
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◆ Academic News ◆
【Circulation】
過体重または肥満の閉経後女性407人を対象に、対照群、座位時間を減らすsit less群、座位から立位への姿勢変換の回数を増やすsit-to-stand群の3群に割り付けて、血圧および血糖への影響を比較した3ヵ月間のランダム化比較試験。座位時間はsit less群で1日あたり58分短くなったが、姿勢変換回数は変わらなかった。一方、sit-to-stand群では姿勢変換回数が1日あたり26回増えたが、座位時間は変わらなかった。収縮期および拡張期血圧は、sit-to-stand群で対照群よりも有意に減少したが、sit less群では有効性が認められなかった。また、血糖値についてはいずれの介入も有効性は認められなかった。血圧の改善のためには、座位から立位への姿勢変換の回数を増やすことが有効かもしれない。
https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/CIRCULATIONAHA.124.073385
【JAMA Network Open】
幼少期のスクリーンタイムと小学校における学力との関連を検討したカナダの前向きコホート研究。3322人の3年生と2084人の6年生のデータを分析した結果、幼少期の総スクリーンタイムやテレビ・デジタルメディア視聴時間が、3年生および6年生の読解力・数学の成績低下と関連していた。特に女子においては、ビデオゲーム使用が学力低下と強く関連していた。幼少期のころからスクリーンタイムを制限することの必要性が示唆された。
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2839927
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◆気になる健康関連ニュース◆
□ 百歳以上高齢者 55年連続増
老人福祉法では、9月15日は「老人の日」と規定されている。
これにちなみ、厚生労働省は9月12日に百歳高齢者表彰対象者を発表した。令和7年度中に百歳に到達する高齢者は、過去最多の5万2310人(9月1日現在)で、前年度に比べ4422人増加した。この5万2310人のうち、男性は7964人、女性は4万4346人で、女性が84.8%を占めている。
また、今年の国内の百歳以上総数は9万9763人となり、55年連続で過去最多を更新した。このうち、女性は88%を占め、8万7784人となっている。
国内最高齢者は、女性114歳、男性111歳。人口10万人あたりでみた百歳以上の高齢者数は、島根が168.69人で最多だった。
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◆ お知らせ ◆
□次号の発刊は、令和7年11月25日(火)です。
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つい先日まで厳しい残暑だったのがうそのように肌寒くなりました。そろそろ岩盤浴を再開しようと思っている今日この頃です。
【発行】株式会社THF( support@thfweb.jp )
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□ 当社についてのお問合せ
→ Tel:029-861-7617/Fax:029-861-7618
□ ホームページ → http://thfweb.jp/
(メルマガが不要な方はこちらより登録解除を行なって下さい)
□ Facebook
→ https://www.facebook.com/THF.TsukubaHealthFrontier
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◆ What's New ◆
~最新のTHF関連トピックスを紹介します~
□田中喜代次(THF代表取締役、筑波大学名誉教授)コラム
~脳梗塞に関して ③心原性脳塞栓症(脳梗塞)の再発防止策としての薬物治療~
従来より、抗凝固療法の一つとして、ワーファリン(独語読みでワルファリン)が高頻度で処方されています。心房細動が起きるだけで抗凝固療法や抗不整脈薬療法、あるいは心拍数を顕著に抑える交感神経遮断薬(β遮断薬)療法が採用されることもあり、特に赤血球数が多く(多血症)、ヘマトクリット値が高い場合や血小板凝集能が高い場合には、心原性脳塞栓症の発症率が高まると報告されています。また、10年以内に心原性脳塞栓症(または脳梗塞)が再発する確率は3~5%(10年で30~50%)と高いため、ワーファリンのような抗血栓薬(いわゆる血液サラサラ薬)が使用されてきました。このワーファリンを服用している中で、健康食品と言われる納豆、青汁、クロレラなどを摂取すると、抗血栓効果が弱まることがあり、塞栓症の再発確率が高まるリスクを回避するために、特に薬との食べ合わせについて主治医から注意が出されることもあります。
そういったワーファリンの弱点を補う作用を有する薬として、DOAC(direct oral anticoagulant:直接経口抗凝固薬)という新しいタイプの薬が処方されるようになりました。DOACが発売された当初は、ワーファリンの弱点をカバーする画期的な新薬(食制限が不要、薬の相互作用が少ない)という特長が発信されていたものの、最新の観察研究によると、消化官(器)系の出血頻度が増すという一種のネガティヴな科学的エヴィデンスも一部で発表されており、さらなる研究成果が待たれるところです。
(監修:吉村隆喜(育和会記念病院病院長、医学博士))
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◆ Academic News ◆
【Circulation】
過体重または肥満の閉経後女性407人を対象に、対照群、座位時間を減らすsit less群、座位から立位への姿勢変換の回数を増やすsit-to-stand群の3群に割り付けて、血圧および血糖への影響を比較した3ヵ月間のランダム化比較試験。座位時間はsit less群で1日あたり58分短くなったが、姿勢変換回数は変わらなかった。一方、sit-to-stand群では姿勢変換回数が1日あたり26回増えたが、座位時間は変わらなかった。収縮期および拡張期血圧は、sit-to-stand群で対照群よりも有意に減少したが、sit less群では有効性が認められなかった。また、血糖値についてはいずれの介入も有効性は認められなかった。血圧の改善のためには、座位から立位への姿勢変換の回数を増やすことが有効かもしれない。
https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/CIRCULATIONAHA.124.073385
【JAMA Network Open】
幼少期のスクリーンタイムと小学校における学力との関連を検討したカナダの前向きコホート研究。3322人の3年生と2084人の6年生のデータを分析した結果、幼少期の総スクリーンタイムやテレビ・デジタルメディア視聴時間が、3年生および6年生の読解力・数学の成績低下と関連していた。特に女子においては、ビデオゲーム使用が学力低下と強く関連していた。幼少期のころからスクリーンタイムを制限することの必要性が示唆された。
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2839927
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◆気になる健康関連ニュース◆
□ 百歳以上高齢者 55年連続増
老人福祉法では、9月15日は「老人の日」と規定されている。
これにちなみ、厚生労働省は9月12日に百歳高齢者表彰対象者を発表した。令和7年度中に百歳に到達する高齢者は、過去最多の5万2310人(9月1日現在)で、前年度に比べ4422人増加した。この5万2310人のうち、男性は7964人、女性は4万4346人で、女性が84.8%を占めている。
また、今年の国内の百歳以上総数は9万9763人となり、55年連続で過去最多を更新した。このうち、女性は88%を占め、8万7784人となっている。
国内最高齢者は、女性114歳、男性111歳。人口10万人あたりでみた百歳以上の高齢者数は、島根が168.69人で最多だった。
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◆ お知らせ ◆
□次号の発刊は、令和7年11月25日(火)です。
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つい先日まで厳しい残暑だったのがうそのように肌寒くなりました。そろそろ岩盤浴を再開しようと思っている今日この頃です。
【発行】株式会社THF( support@thfweb.jp )
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