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9月29日号 THF Communication No.293
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■■ THF Communication !!
■ <No.293>
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◆ What's New ◆
~最新のTHF関連トピックスを紹介します~
□田中喜代次(THF代表取締役、筑波大学名誉教授)コラム
~脳梗塞に関して ②心房細動とは?~
心房細動とは、心臓の電気生理学的活動異常により、心臓の上部にある心房が継続して不規則に、かつ非常に速いリズムで震えること(細動)を指します。心臓の拍動は、健常者で1日24時間(約9~11万拍)、慢性閉塞性肺疾患や喫煙者で約11~13万回と考えられます。心房細動の回数は、種類や人によって大きく異なり、発作性心房細動だと年に1~2回の人から週に数回や毎日起きる人もいます。一般的に発作が起き始めた初期には回数が少なく、次回の発作までの期間が長くても、徐々に回数の増加や期間の短縮化が見られます。発作が7日以上継続する場合、持続性心房細動と言われます。
心房細動が起きると、心房が不規則に収縮するため、心房内の血液がよどんで直径1~5㎜程度の血栓ができやすくなるわけです。心臓の拍動が正常な場合(正常調律)、心房と心室が順番に規則正しく収縮しますが、心房細動が起きている場合には、その規則性が乱れ、時には心房が1分間に300〜600回程度の速さで不規則に動くと言われています。なお、心房細動を早期発見・早期治療することで、心原性脳塞栓症を発症する確率は顕著に(1/5~1/10程度にまで)減少するとの研究結果が多数あります。
心房細動の見つけ方
心房細動の有無は、通常の心電図検査でほぼ正確に見つけることができます。心房細動に限らず、不整脈を有する場合、ホルター心電計を身体に装着してもらい、24時間にわたって心電図を記録・観察することが推奨されます。安静時、身体活動時、食後、空腹時、睡眠時、強いストレスを受けた時など、不整脈の現れ方に個人差があるからです。
心電図検査を受けなくても、胸部における動悸、息切れ、倦怠感、不快感、圧迫感、めまい、失神などがあれば、心房細動などの不整脈を有している可能性が高いと見なされます。
(監修:吉村隆喜(育和会記念病院病院長、医学博士))
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◆ Academic News ◆
【JAMA】
中国の4県128村を対象に、60歳以上の高齢者に対する転倒予防教育の効果を検証したクラスターランダム化比較試験。介入内容には、バランス・機能強化運動、健康教育が含まれ、一次医療システムに組み込む形で介入プログラムが提供された。2610人(中央値70.0歳、女性59.5%)が研究に参加し、介入群1311人(64村)と対照群1299人(64村)に割り付けられた。平均追跡期間は358日間で、報告された転倒人数は介入群388人(29.7%)、対照群497人(38.3%)であり、転倒発生オッズ比は介入群で0.67(95%信頼区間0.48~0.91)となり、介入プログラムの有効性が確認された。
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2838003
【Lancet】
親を対象とした児の肥満予防介入効果に関するシステマティックレビューとメタ解析。47のランダム化比較試験が採択され、主要評価項目としたBMIを評価している18の論文中、17論文の個人データ(9128人)を入手した。解析の結果、24ヵ月間のBMI変化は-0.01(95%信頼区間-0.08~0.05)であり、介入効果は認められなかった。この結果は頑健であり、異なる複数の解析方法でも、有効性は認められなかった。このことから、これまでの親を対象とした介入効果は不十分であり、小児肥満予防戦略の再考の必要性が示された。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0140673625011444?via%3Dihub
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◆気になる健康関連ニュース◆
□ 日本高血圧学会 高血圧治療ガイドライン改訂
日本高血圧学会は8月29日、6年ぶりに高血圧治療ガイドラインを改訂し、「高血圧管理・治療ガイドライン2025」を公表した。これまで「治療ガイドライン」と呼んでいたものに「管理」という言葉が追加された。
25年版では、高血圧の基準に変更はなく、診察時血圧で140/90 mmHg以上、家庭血圧で135/85 mmHg以上としている。
降圧目標については、年齢に関係なく診察時血圧が130/80 mmHg未満、家庭血圧が125/75 mmHg未満に統一された。
75歳以上の診察時血圧の降圧目標は、19年版では140/90 mmHg未満とされていたが、それぞれ10 mmHgずつ低く設定された。
治療へのデジタル技術の活用として、高血圧治療補助アプリの活用も新たに含まれた。
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◆ お知らせ ◆
□次号の発刊は、令和7年10月27日(月)です。
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さわやかな秋の風になってきました。いろいろなことをするのに過ごしやすい時季。今年は「読書の秋」にしたいと思います。
【発行】株式会社THF( support@thfweb.jp )
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□ 当社についてのお問合せ
→ Tel:029-861-7617/Fax:029-861-7618
□ ホームページ → http://thfweb.jp/
(メルマガが不要な方はこちらより登録解除を行なって下さい)
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□田中喜代次(THF代表取締役、筑波大学名誉教授)コラム
~脳梗塞に関して ②心房細動とは?~
心房細動とは、心臓の電気生理学的活動異常により、心臓の上部にある心房が継続して不規則に、かつ非常に速いリズムで震えること(細動)を指します。心臓の拍動は、健常者で1日24時間(約9~11万拍)、慢性閉塞性肺疾患や喫煙者で約11~13万回と考えられます。心房細動の回数は、種類や人によって大きく異なり、発作性心房細動だと年に1~2回の人から週に数回や毎日起きる人もいます。一般的に発作が起き始めた初期には回数が少なく、次回の発作までの期間が長くても、徐々に回数の増加や期間の短縮化が見られます。発作が7日以上継続する場合、持続性心房細動と言われます。
心房細動が起きると、心房が不規則に収縮するため、心房内の血液がよどんで直径1~5㎜程度の血栓ができやすくなるわけです。心臓の拍動が正常な場合(正常調律)、心房と心室が順番に規則正しく収縮しますが、心房細動が起きている場合には、その規則性が乱れ、時には心房が1分間に300〜600回程度の速さで不規則に動くと言われています。なお、心房細動を早期発見・早期治療することで、心原性脳塞栓症を発症する確率は顕著に(1/5~1/10程度にまで)減少するとの研究結果が多数あります。
心房細動の見つけ方
心房細動の有無は、通常の心電図検査でほぼ正確に見つけることができます。心房細動に限らず、不整脈を有する場合、ホルター心電計を身体に装着してもらい、24時間にわたって心電図を記録・観察することが推奨されます。安静時、身体活動時、食後、空腹時、睡眠時、強いストレスを受けた時など、不整脈の現れ方に個人差があるからです。
心電図検査を受けなくても、胸部における動悸、息切れ、倦怠感、不快感、圧迫感、めまい、失神などがあれば、心房細動などの不整脈を有している可能性が高いと見なされます。
(監修:吉村隆喜(育和会記念病院病院長、医学博士))
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◆ Academic News ◆
【JAMA】
中国の4県128村を対象に、60歳以上の高齢者に対する転倒予防教育の効果を検証したクラスターランダム化比較試験。介入内容には、バランス・機能強化運動、健康教育が含まれ、一次医療システムに組み込む形で介入プログラムが提供された。2610人(中央値70.0歳、女性59.5%)が研究に参加し、介入群1311人(64村)と対照群1299人(64村)に割り付けられた。平均追跡期間は358日間で、報告された転倒人数は介入群388人(29.7%)、対照群497人(38.3%)であり、転倒発生オッズ比は介入群で0.67(95%信頼区間0.48~0.91)となり、介入プログラムの有効性が確認された。
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2838003
【Lancet】
親を対象とした児の肥満予防介入効果に関するシステマティックレビューとメタ解析。47のランダム化比較試験が採択され、主要評価項目としたBMIを評価している18の論文中、17論文の個人データ(9128人)を入手した。解析の結果、24ヵ月間のBMI変化は-0.01(95%信頼区間-0.08~0.05)であり、介入効果は認められなかった。この結果は頑健であり、異なる複数の解析方法でも、有効性は認められなかった。このことから、これまでの親を対象とした介入効果は不十分であり、小児肥満予防戦略の再考の必要性が示された。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0140673625011444?via%3Dihub
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◆気になる健康関連ニュース◆
□ 日本高血圧学会 高血圧治療ガイドライン改訂
日本高血圧学会は8月29日、6年ぶりに高血圧治療ガイドラインを改訂し、「高血圧管理・治療ガイドライン2025」を公表した。これまで「治療ガイドライン」と呼んでいたものに「管理」という言葉が追加された。
25年版では、高血圧の基準に変更はなく、診察時血圧で140/90 mmHg以上、家庭血圧で135/85 mmHg以上としている。
降圧目標については、年齢に関係なく診察時血圧が130/80 mmHg未満、家庭血圧が125/75 mmHg未満に統一された。
75歳以上の診察時血圧の降圧目標は、19年版では140/90 mmHg未満とされていたが、それぞれ10 mmHgずつ低く設定された。
治療へのデジタル技術の活用として、高血圧治療補助アプリの活用も新たに含まれた。
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◆ お知らせ ◆
□次号の発刊は、令和7年10月27日(月)です。
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さわやかな秋の風になってきました。いろいろなことをするのに過ごしやすい時季。今年は「読書の秋」にしたいと思います。
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