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8月25日号 THF Communication No.292
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■■ THF Communication !!
■ <No.292>
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◆ What's New ◆
~最新のTHF関連トピックスを紹介します~
□田中喜代次(THF代表取締役、筑波大学名誉教授)コラム
~脳梗塞に関して ①心原性脳塞栓症(脳梗塞)とは?~
心原性脳塞栓症(しんげんせいのうそくせんしょう)とは、心臓が原因で起きる現象(心原性)を指し、脳内に塞栓が起きること(脳塞栓)と言えます。つまり、心臓にできた血栓(血の塊)が心臓の左心房・左心室から血流にのって脳の血管にまで運ばれ、脳の動脈を塞いで起こる脳の血流障害(脳梗塞)のことです。
脳の血管に栓塞ができる場合、比較的大きな血管が突然に詰まり、障害が広範囲に及んで重症になる例と、時間をかけて徐々に軽微な異変が起こる例があります。前者の場合、中大脳動脈が突然に詰まる例があり、その場合、脳の広範囲に障害が残り重症となりやすいです。心原性脳塞栓症が起きる原因としては、最も頻度の多い心房細動のほか、心筋梗塞、心不全、心臓弁膜症、睡眠時無呼吸症候群、熱中症による脱水、あるいは過度の飲酒や喫煙などの良くない生活習慣からでも起きることが明らかになっています。心房細動は加齢とともに、またストレスによっても発症確率が高まるという報告もあります。後遺症としては、身体の右側または左側の一部が自由に動かない片麻痺(へんまひ)、言葉を発することが困難になる言語障害、突然に意識を失う意識障害、視野が限定的になる視野障害、めまいなどがあります。
(監修:吉村隆喜(育和会記念病院病院長、医学博士))
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◆ Academic News ◆
【British Journal of Sports Medicine】
持久性体力、BMIと死亡率の関連についてのシステマティックレビューとメタ解析。20の研究に参加した398,716人が解析に含まれた。標準体重で体力のある対照群と比較して、過体重で体力のある群における全死因死亡のハザード比は0.96(95%信頼区間:0.61~1.50)、肥満で体力のある群では1.11(0.88~1.40)と有意な関連はなかった。一方、標準体重で体力のない群では1.92(1.43~2.57)、過体重で体力のない群では1.82(1.47~2.24)、肥満で体力のない群では2.04(1.54~2.71)と有意なリスク増加が確認された。このことから、持久性体力が高ければ、過体重や肥満によるリスクを軽減できると結論づけている。
https://bjsm.bmj.com/content/59/5/339.long
【Lancet Public Health】
歩数と健康アウトカムとの関連についてのシステマティックレビューとメタ解析。35のコホートから出版された57の論文がレビューされ、24のコホートから出版された31の論文がメタ解析に含められた。解析の結果、歩数が多いほど、全死因死亡率、循環器疾患発症、認知症、転倒の発生率が低い、負の非線形量反応関係が認められた。5000~7000歩あたりで線形性が緩くなることから、10,000歩の目標達成が難しい場合は、7,000歩を目標にすることが、さまざまな疾患の予防の観点から意味があると結論づけている。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2468266725001641?via%3Dihub
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◆気になる健康関連ニュース◆
□ 日本老年医学会 高齢者の人生の最終段階における医療・ケアの立場表明
日本老年医学会はこのほど、「高齢者の人生の最終段階における医療・ケアに関する立場表明2025」を公表した。その中で、人生の最終段階を「病状や老衰が不可逆的で、更なる治療によっても状態の好転や進行の阻止は見込めず、遅かれ早かれ死に至ることが避けられない」という医学的見込みと、それを踏まえて、医療・ケアチームが本人が表明してきた人生に関する意向を尊重した上でも、そう考えることができるという人生の見方の両方が満たされている時だと定義づけた。表明した10の立場の中では、全ての高齢者が「最善の医療およびケア」を受ける権利を有するとし、暦年齢に基づく過少医療に反対した。また、非がんを含めたあらゆる最終段階で緩和ケアを広く用い、苦痛の緩和とQOLの維持・向上に最大限努力すべきだとする一方で、治すための治療行為も除外しないとした。
本人の意思の尊重については、「本人の満足」を物差しとすること、本人の言語表現が困難となった場合は、それ以前の言動から本人の意思を推定し、身振り手振りや表情などの非言語表現も含めて本人の意向を読み取り、尊重することが重要だとした。本人の意思が不明な場合の家族等の役目は、代理決定ではなく、本人の意思を推定し医療・ケアチームに伝える「代弁」だとした。
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◆ お知らせ ◆
□次号の発刊は、令和7年9月29日(月)です。
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弊社は12日~15日で夏季休暇でした。帰省してもあまりの暑さに家にいることが多くなりましたが、
家族との会話が増えて良い時間を過ごせました。
【発行】株式会社THF( support@thfweb.jp )
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□ 当社についてのお問合せ
→ Tel:029-861-7617/Fax:029-861-7618
□ ホームページ → http://thfweb.jp/
(メルマガが不要な方はこちらより登録解除を行なって下さい)
□ Facebook
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~脳梗塞に関して ①心原性脳塞栓症(脳梗塞)とは?~
心原性脳塞栓症(しんげんせいのうそくせんしょう)とは、心臓が原因で起きる現象(心原性)を指し、脳内に塞栓が起きること(脳塞栓)と言えます。つまり、心臓にできた血栓(血の塊)が心臓の左心房・左心室から血流にのって脳の血管にまで運ばれ、脳の動脈を塞いで起こる脳の血流障害(脳梗塞)のことです。
脳の血管に栓塞ができる場合、比較的大きな血管が突然に詰まり、障害が広範囲に及んで重症になる例と、時間をかけて徐々に軽微な異変が起こる例があります。前者の場合、中大脳動脈が突然に詰まる例があり、その場合、脳の広範囲に障害が残り重症となりやすいです。心原性脳塞栓症が起きる原因としては、最も頻度の多い心房細動のほか、心筋梗塞、心不全、心臓弁膜症、睡眠時無呼吸症候群、熱中症による脱水、あるいは過度の飲酒や喫煙などの良くない生活習慣からでも起きることが明らかになっています。心房細動は加齢とともに、またストレスによっても発症確率が高まるという報告もあります。後遺症としては、身体の右側または左側の一部が自由に動かない片麻痺(へんまひ)、言葉を発することが困難になる言語障害、突然に意識を失う意識障害、視野が限定的になる視野障害、めまいなどがあります。
(監修:吉村隆喜(育和会記念病院病院長、医学博士))
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【British Journal of Sports Medicine】
持久性体力、BMIと死亡率の関連についてのシステマティックレビューとメタ解析。20の研究に参加した398,716人が解析に含まれた。標準体重で体力のある対照群と比較して、過体重で体力のある群における全死因死亡のハザード比は0.96(95%信頼区間:0.61~1.50)、肥満で体力のある群では1.11(0.88~1.40)と有意な関連はなかった。一方、標準体重で体力のない群では1.92(1.43~2.57)、過体重で体力のない群では1.82(1.47~2.24)、肥満で体力のない群では2.04(1.54~2.71)と有意なリスク増加が確認された。このことから、持久性体力が高ければ、過体重や肥満によるリスクを軽減できると結論づけている。
https://bjsm.bmj.com/content/59/5/339.long
【Lancet Public Health】
歩数と健康アウトカムとの関連についてのシステマティックレビューとメタ解析。35のコホートから出版された57の論文がレビューされ、24のコホートから出版された31の論文がメタ解析に含められた。解析の結果、歩数が多いほど、全死因死亡率、循環器疾患発症、認知症、転倒の発生率が低い、負の非線形量反応関係が認められた。5000~7000歩あたりで線形性が緩くなることから、10,000歩の目標達成が難しい場合は、7,000歩を目標にすることが、さまざまな疾患の予防の観点から意味があると結論づけている。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2468266725001641?via%3Dihub
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◆気になる健康関連ニュース◆
□ 日本老年医学会 高齢者の人生の最終段階における医療・ケアの立場表明
日本老年医学会はこのほど、「高齢者の人生の最終段階における医療・ケアに関する立場表明2025」を公表した。その中で、人生の最終段階を「病状や老衰が不可逆的で、更なる治療によっても状態の好転や進行の阻止は見込めず、遅かれ早かれ死に至ることが避けられない」という医学的見込みと、それを踏まえて、医療・ケアチームが本人が表明してきた人生に関する意向を尊重した上でも、そう考えることができるという人生の見方の両方が満たされている時だと定義づけた。表明した10の立場の中では、全ての高齢者が「最善の医療およびケア」を受ける権利を有するとし、暦年齢に基づく過少医療に反対した。また、非がんを含めたあらゆる最終段階で緩和ケアを広く用い、苦痛の緩和とQOLの維持・向上に最大限努力すべきだとする一方で、治すための治療行為も除外しないとした。
本人の意思の尊重については、「本人の満足」を物差しとすること、本人の言語表現が困難となった場合は、それ以前の言動から本人の意思を推定し、身振り手振りや表情などの非言語表現も含めて本人の意向を読み取り、尊重することが重要だとした。本人の意思が不明な場合の家族等の役目は、代理決定ではなく、本人の意思を推定し医療・ケアチームに伝える「代弁」だとした。
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◆ お知らせ ◆
□次号の発刊は、令和7年9月29日(月)です。
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弊社は12日~15日で夏季休暇でした。帰省してもあまりの暑さに家にいることが多くなりましたが、
家族との会話が増えて良い時間を過ごせました。
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