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4月28日号 THF Communication No.288

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■■        THF Communication !!      
■                         <No.288>
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◆ What's New ◆
~最新のTHF関連トピックスを紹介します~

□田中喜代次(THF代表取締役、筑波大学名誉教授)コラム
~熱中症対策(水分、ナトリウム、冷却)の重要性①~
昨今、地球全体の平均気温が上昇し、熱中症で急死する人は跡を絶たない状況です。
熱中症の罹患率・死亡率は、ともに年々増加傾向にあり、ヒートアイランド現象への警告が
国や都道府県から発出されています。昨年は4月中旬に30℃を超える地域が出ており、
10月中旬までの6ヵ月間にわたり、熱中症にかかった人(約10万人)が救急搬送されました。
そこで、今回は、熱中症の怖さとともに、その防止策について解説します。 
熱中症対策として水分補給が最も重要ですが、水や麦茶だけでは不十分となる場合があります。
東京マラソン(札幌、2021)を走った一流男子ランナー106名中の30名が途中でリタイヤしました。
その主な原因は、大量の発汗と大量の飲水による低ナトリウム血症です。低ナトリウム血症とは、
体液の塩分(ナトリウム)濃度が通常より低下した状態で、多量の汗で水と塩分が失われた際に、
水あるいは汗よりも塩分濃度の低い飲料を多量に飲むことで起こる怖い症状です。
ただし、汗の塩分濃度には大きな個人差があるため、水だけで十分な人、水+塩分の必要な人、
水+糖分を推奨される人のほか、アスリートのように水+塩分+糖分を補給する例、
これら1~3つ+クエン酸の補給を好む例など、さまざまです。年齢、体質、運動や労働の厳しさ、
服薬の種類(降圧利尿薬)などによって個に合った適切な水分補給が望まれます。
低ナトリウム血症に陥ると、軽症の場合でも、こむら返りや筋肉の痙攣を起こし、
歩行中の転倒・骨折、自転車運転中の事故、農機の誤操作などによる事故、自動車運転事故などに
つながりかねません。重症の場合には、中枢神経障害で脳に後遺症が残ることがあります。
例えば、姿勢が不安定になり、手足の協調運動が困難になる(易転倒性:転倒しやすい)
などの小脳失調をはじめ、失語などの認知症に発展します。数年~数十年先に起きる
高血圧由来の脳卒中リスクに傾注してアドバイスするのか、夏場なら明日にも起きうる
低ナトリウム血症(別名:水中毒)の防止に最も留意するのか、対策は発汗状況や体調など
多要因の影響を勘案して決めることが肝要です。次回は具体的な対策について述べます。

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◆ Academic News ◆
【Journal of Epidemiology】
高齢者の1日10分間の座位時間を中高強度身体活動時間に置き換えることにより、
介護認定および死亡のリスクをどの程度軽減できるかを、京都亀岡研究に参加した
65歳以上の10,164人を対象に検討した。観察期間は中央値で5.3年間であり、
座位時間および身体活動時間は質問紙で評価した。解析の結果、座位時間が長く、
中高強度身体活動時間が少ないと、介護認定のリスクが高まる関連性が認められた。
また、10分の座位時間を中高強度身体活動時間に置き換えることで、介護認定リスクは2%、
死亡リスクは2.5%低減することが示唆された。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jea/advpub/0/advpub_JE20240385/_article

【JAMA Network Open】
膝痛の改善のために有酸素運動や筋力トレーニングが推奨されているが、
ヨガとの比較については十分な検討がされていない。本研究では、オーストラリアで
中等度以上の腰痛を持つ40歳以上の117名(平均年齢62.5歳、女性72.6%)を対象に、
12週間のヨガまたは筋力トレーニングの指導(週2回は監視下、週1回は自宅)を
受けることに伴う腰痛の程度の変化を比較検討した。その結果、痛みの軽減効果は、
ヨガ、筋力トレーニング双方で認められ、有意差はなかった(ヨガ群-17.7、
筋力トレーニング群-16.7、100点満点の痛みスケール)。そのため、
筋力トレーニングと同様に、ヨガも膝痛改善のために推奨されると考えられた。
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2832290

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◆気になる健康関連ニュース◆
□レスメド世界睡眠調査2025 調査結果発表

レスメド株式会社は、3月14日の世界睡眠デーに合わせ「レスメド世界睡眠調査2025」
を発表した。本調査は、昨年12月12~28日に、世界の13の国と地域で計3万26人を対象に
実施された。回答者全体の平均睡眠時間は7時間5分で、日本の平均は6時間34分と
3年連続で最下位だった。1位のインドと比較すると、日本の平均睡眠時間は
1時間以上短かった。入眠に悩む頻度については、「週3日以上」と回答した日本人は37%で、
3人に1人は「睡眠の質が悪くてもそのまま過ごす」と回答し、日本人の睡眠リテラシーの
低さが浮き彫りとなる結果だった。また、質の高い睡眠の頻度は女性の方が少なく、
男性よりも睡眠の質が悪いと感じている事が分かった。更年期は睡眠に影響を与える重要な要因で、
更年期女性の44%が少なくとも週3回は入眠困難を経験していた。
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◆ お知らせ ◆
□次号の発刊は、令和7年5月26日(月)です。
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睡眠の大切さが世の中で謳われていますが、自分を振り返ると、
量・質ともに改善の余地は大いにあると感じました。
快適に過ごせる時季なので、今夜こそは早くに就寝し
満足のいく睡眠を得たいと思いました。

【発行】株式会社THF( support@thfweb.jp
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