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1月29日号 THF Communication No.273
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■■ THF Communication !!
■ <No. 273>
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◆ What's New ◆
~最新のTHF関連トピックスを紹介します~
□田中喜代次(THF代表取締役、筑波大学名誉教授)コラム
~有酸素性運動と無酸素性運動の見分け方~
散歩以外の身体活動やスポーツ競技では運動強度が一定でないため、
先月述べたように無酸素性運動か有酸素性運動かを区別することは
むずかしいです。その理由は急に動作速度を高めるサッカーやテニス
のスポーツ場面のように、強い筋力を発揮しておこなう跳躍動作や
方向転換動作、姿勢変換動作などが含まれるからです。このように、
有酸素性運動と無酸素性運動は、ほとんどすべてのスポーツ活動場面
において混在しています。両者の運動を自覚的(主観的に)に見分ける
目安としては、同一動作を何度も繰り返しおこなえるか否かの感覚的
判断です。歩行であれば、さらに時間を延長して約10~20分にわたり
1~2千歩ほど同じ動作を繰り返すことができるという感覚を持てる
でしょう。その一方で、フィギュアスケートのような華麗な高速回転
ジャンプ、長い階段の全力での駆け上がり、鉄棒や肋木での連続懸垂、
あるいは縄跳び(若者なら三重跳び、高齢者なら二重跳び)をおこなおう
としても、せいぜい数回のチャレンジで力が果てるでしょう。このような
無酸素性運動をやることで、ケガのリスクが高まるものの、大きな力を
発揮する際に動員される速筋線維の衰え(加齢性変化)が確実に抑制
されます。無酸素性運動(抵抗性運動、筋トレ)は強度が高いため
高齢者に不向きと言われがちですが、65歳になったからと言って、軽い
有酸素性運動しかやらない場合、90歳になったら筋力を発揮する家事労働
が制限され、転倒リスクが高まるでしょう。また、屋外での自転車との
衝突や自動車が絡む重大な交通事故からの回避機能(俊敏性)も低下する
でしょう。
参考文献
田中喜代次ら:運動生理学大事典. 西村書店, 2017.
田中喜代次ら:最大酸素摂取量の重要性. 微研ジャーナル, 2023.
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◆ Academic News ◆
【JAMA Network Open】
英国における50歳以上の7945人(平均年齢66.3歳)を対象とし、
2010-2011年のペット飼育状況と2018-2019年までの認知機能低下との
関連を検討した。その結果、ペット飼育は、認知機能低下の速度を
弱めることと関連した。また、詳細に分析した結果、独居の対象者では、
ペット飼育は認知機能低下速度低減と関連したが、同居者がいる場合には
その関連は認められなかった。
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/article-abstract/2813138
【Medicine and Science in Sports and Exercise】
健常女性における心肺持久力と乳がん発症リスクとの関連を検討した
コホート研究。米国における女性44,463人(平均年齢55.1歳)を平均
約10年間追跡した結果、994人が乳がんを発症した。ベースライン時の
心肺持久力との関連を検討した結果、最大酸素摂取量が1メッツ
(3.5 ml/kg/分)増えるごとに、乳がん発症リスクは7%減少した
(ハザード比0.93、95%信頼区間0.90-0.95)。また、持久力で
4分割して比較した結果、持久力が最も低い群と比較して、最も高い群の
乳がん発症リスクは40%低かった(ハザード比0.60、95%信頼区間
0.47-0.75)。
https://journals.lww.com/acsm-msse/abstract/9900/the_association_between_cardiorespiratory_fitness.442.aspx
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◆気になる健康関連ニュース◆
□ 聴覚障害がある人でも社会参加で認知症予防に
浜松医科大学健康社会医学講座の小島香特任研究員らは、聴覚障害が
ある人でも、社会活動に参加していると認知症発症リスクが減る
可能性があることを明らかにした。対象者を6年間追跡調査した結果、
認知症発症者は、聴覚障害ありの者で21.3%、聴覚障害なしの者で
10.4%と、聴覚障害がある者で発症割合が高かった。聴覚障害がある者
で、社会活動と認知症発症までの時間との関連を検証した結果、スポーツの
会の参加が月1回未満はハザード比2.20、外出頻度月1回未満は2.42、
趣味の会月1回未満は1.76、友人と会う頻度月1回未満は1.36で、
いずれも聴覚障害がない人よりも高かった。
このことから、聴覚障害がある人は、社会的な交流や活動が少ないと
認知症発症リスクが高く、これらの機会の維持が認知症の予防につながる
可能性があるとした。
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◆ お知らせ ◆
□次号の発刊は、令和6年2月26日(月)です。
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今年の干支は甲辰です。これまで努力してきたことが成就する年
だそうです。皆様の一年が更なる飛躍の年になりますように。
【発行】株式会社THF( support@thfweb.jp )
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□ 当社についてのお問合せ
→ Tel:029-861-7617/Fax:029-861-7618
□ ホームページ → http://thfweb.jp/
(メルマガが不要な方はこちらより登録解除を行なって下さい)
□ Facebook
→ https://www.facebook.com/THF.TsukubaHealthFrontier
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■ <No. 273>
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◆ What's New ◆
~最新のTHF関連トピックスを紹介します~
□田中喜代次(THF代表取締役、筑波大学名誉教授)コラム
~有酸素性運動と無酸素性運動の見分け方~
散歩以外の身体活動やスポーツ競技では運動強度が一定でないため、
先月述べたように無酸素性運動か有酸素性運動かを区別することは
むずかしいです。その理由は急に動作速度を高めるサッカーやテニス
のスポーツ場面のように、強い筋力を発揮しておこなう跳躍動作や
方向転換動作、姿勢変換動作などが含まれるからです。このように、
有酸素性運動と無酸素性運動は、ほとんどすべてのスポーツ活動場面
において混在しています。両者の運動を自覚的(主観的に)に見分ける
目安としては、同一動作を何度も繰り返しおこなえるか否かの感覚的
判断です。歩行であれば、さらに時間を延長して約10~20分にわたり
1~2千歩ほど同じ動作を繰り返すことができるという感覚を持てる
でしょう。その一方で、フィギュアスケートのような華麗な高速回転
ジャンプ、長い階段の全力での駆け上がり、鉄棒や肋木での連続懸垂、
あるいは縄跳び(若者なら三重跳び、高齢者なら二重跳び)をおこなおう
としても、せいぜい数回のチャレンジで力が果てるでしょう。このような
無酸素性運動をやることで、ケガのリスクが高まるものの、大きな力を
発揮する際に動員される速筋線維の衰え(加齢性変化)が確実に抑制
されます。無酸素性運動(抵抗性運動、筋トレ)は強度が高いため
高齢者に不向きと言われがちですが、65歳になったからと言って、軽い
有酸素性運動しかやらない場合、90歳になったら筋力を発揮する家事労働
が制限され、転倒リスクが高まるでしょう。また、屋外での自転車との
衝突や自動車が絡む重大な交通事故からの回避機能(俊敏性)も低下する
でしょう。
参考文献
田中喜代次ら:運動生理学大事典. 西村書店, 2017.
田中喜代次ら:最大酸素摂取量の重要性. 微研ジャーナル, 2023.
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◆ Academic News ◆
【JAMA Network Open】
英国における50歳以上の7945人(平均年齢66.3歳)を対象とし、
2010-2011年のペット飼育状況と2018-2019年までの認知機能低下との
関連を検討した。その結果、ペット飼育は、認知機能低下の速度を
弱めることと関連した。また、詳細に分析した結果、独居の対象者では、
ペット飼育は認知機能低下速度低減と関連したが、同居者がいる場合には
その関連は認められなかった。
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/article-abstract/2813138
【Medicine and Science in Sports and Exercise】
健常女性における心肺持久力と乳がん発症リスクとの関連を検討した
コホート研究。米国における女性44,463人(平均年齢55.1歳)を平均
約10年間追跡した結果、994人が乳がんを発症した。ベースライン時の
心肺持久力との関連を検討した結果、最大酸素摂取量が1メッツ
(3.5 ml/kg/分)増えるごとに、乳がん発症リスクは7%減少した
(ハザード比0.93、95%信頼区間0.90-0.95)。また、持久力で
4分割して比較した結果、持久力が最も低い群と比較して、最も高い群の
乳がん発症リスクは40%低かった(ハザード比0.60、95%信頼区間
0.47-0.75)。
https://journals.lww.com/acsm-msse/abstract/9900/the_association_between_cardiorespiratory_fitness.442.aspx
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◆気になる健康関連ニュース◆
□ 聴覚障害がある人でも社会参加で認知症予防に
浜松医科大学健康社会医学講座の小島香特任研究員らは、聴覚障害が
ある人でも、社会活動に参加していると認知症発症リスクが減る
可能性があることを明らかにした。対象者を6年間追跡調査した結果、
認知症発症者は、聴覚障害ありの者で21.3%、聴覚障害なしの者で
10.4%と、聴覚障害がある者で発症割合が高かった。聴覚障害がある者
で、社会活動と認知症発症までの時間との関連を検証した結果、スポーツの
会の参加が月1回未満はハザード比2.20、外出頻度月1回未満は2.42、
趣味の会月1回未満は1.76、友人と会う頻度月1回未満は1.36で、
いずれも聴覚障害がない人よりも高かった。
このことから、聴覚障害がある人は、社会的な交流や活動が少ないと
認知症発症リスクが高く、これらの機会の維持が認知症の予防につながる
可能性があるとした。
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◆ お知らせ ◆
□次号の発刊は、令和6年2月26日(月)です。
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今年の干支は甲辰です。これまで努力してきたことが成就する年
だそうです。皆様の一年が更なる飛躍の年になりますように。
【発行】株式会社THF( support@thfweb.jp )
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□ 当社についてのお問合せ
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□ ホームページ → http://thfweb.jp/
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