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8月28日号 THF Communication No.268

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■■        THF Communication !!      
■                   <No. 268>
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◆ What's New ◆
~最新のTHF関連トピックスを紹介します~

□田中喜代次(THF代表取締役、筑波大学名誉教授)コラム

~日本女性骨盤底医学会(第25回学術集会@東京)に参加して~
参加者の主な専門職は、婦人科医、泌尿器科医、大腸肛門外科医、
看護師、助産師、理学療法士らであったと思う。
一般演題(学会発表)名は、
①新術式の開発:ロボット支援-後腹膜鏡下-仙骨腟固定術
②下部尿路の構造と神経支配-なぜ尿は出なくなる?-
③女性の尿道を取り囲む平滑筋と骨格筋組織の3次元的分布の解析
④骨盤臓器脱症例での経腟式内視鏡手術による付属器摘出
⑤ヒトの出産の人類学的考察-どうしてヒトは難産なのか
⑥腟閉鎖術後の直腸脱発生の検討
⑦分娩時の第3~4度会陰裂傷の発生要因
⑧当院の骨盤底筋体操教室の取り組み
⑨骨盤底筋トレーニングに関連する基礎的体力要素の検討

などであった。⑧⑨は我々がリードできるテーマと言えよう。
以下、私の素直な感想である。
握力の低下をマグニチュード1~2とすると、歩行速度の低下は
2~3、フレイルと判定されても3~4だろうが、骨盤底機能不全は
1~10と幅広い。たまに失禁する程度の軽微な例では1だろうが、
子宮脱や膀胱瘤など顕著な骨盤臓器脱のため子宮摘除術+腟閉鎖術の
あとに直腸脱(肛門術)、さらに会陰形成術、そして認知症が
加わる例は10と言わざるを得ないと感じた。
手術動画よりも、骨盤臓器脱の実態を目にして衝撃を受けた。
女性の骨盤底を傷めないケアが肝要で、そのためには本人以外の
家族(おそらく社会全体)の理解や早期からの優しい効果的なケアが
求められると感じた。
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◆ Academic News ◆
【JAMA Internal Medicine】
有酸素性身体活動と筋力向上活動の組み合わせと死亡リスクとの関連を
検討したコホート研究。米国の500,705人(平均年齢46.4歳)が参加し、
中央値で10.0年間追跡された。身体活動は質問紙で調査され、
有酸素性中強度身体活動(MPA)、有酸素性高強度身体活動(VPA)、
筋力向上活動(MSA)が評価された。
解析の結果、MPA、VPA、MSAをおこなっていない対照群と比較して、
週当たりのMPAを0-75分、VPAを150分以上、筋力向上活動を
2回以上実施している集団では、死亡のハザード比は0.50
(95%信頼区間:0.42-0.59)であった。
このことから、MPA、VPA、MSAをバランスよく実施することの
重要性が示唆された。
https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/2807854

【JAMA Oncology】
英国のコホート研究に参加していて運動習慣のない22,398人
(平均年齢62.0歳)を平均6.7年間追跡し、加速度計で評価した
高強度の間欠的な生活活動(VILPA)とがん罹患との関連を検討した。
その結果、VILPAはがん罹患とほぼ直線的な量反応関係があった。
VILPAはそのほとんど(92.3%)が1分未満であり、1日のVILPA時間の
中央値は4.5分であった。VILPAが0の集団と比較して、1分未満の
VILPAが4.5分であると、がん罹患のハザード比は0.80
(95%CI:0.69-0.92)であった。
身体活動との関連が報告されている13のがんに限定すると、
ハザード比は0.69(0.55-0.86)となった。このことから、
わずかな時間の積み重ねでも、高強度の活動はがん罹患リスクを
下げることが示唆された。
https://jamanetwork.com/journals/jamaoncology/fullarticle/2807734

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◆気になる健康関連ニュース◆

□ スポーツの参加頻度が多いと介護リスク減 JAGES研究

千葉大学予防医学センターの井手一茂特任教授らの研究により、
高齢者の社会参加で、スポーツ・趣味への参加頻度が多いほど、
要支援・要介護認定を受ける確率が低いことが分かった。
日本老年学的評価研究(JAGES)の2010~2011年の調査回答者
を追跡したデータから、6年後の要支援・要介護認定と地域組織
の参加頻度との関係を分析した。地域組織は、スポーツ、趣味、
ボランティア、町内会、老人クラブ、業界団体の6種類で、
参加頻度は参加なしと年数回、月1~3回、週1回以上に分類した。
各組織への参加なしを基準とすると、スポーツは年数回で5%、
月1~3回で14%、週1回以上で24%認定リスクが減少した。
趣味の会も各7%、14%、17%減少し、いずれも参加頻度が
高いほど認定を受ける率が低くなった。

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◆ お知らせ ◆
□次号の発刊は、令和5年9月25日(月)です。
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8月23日の処暑が過ぎ、暦の上では暑さが和らぐ頃と
されていますが、まだまだ残暑が厳しいですね。暑さで
食欲を無くしがちですが、美味しいものをたくさん食べて、
元気に過ごしたいです。

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