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7月31日号 THF Communication No.267

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■■        THF Communication !!      
■                   <No. 267>
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◆ What's New ◆
~最新のTHF関連トピックスを紹介します~

□田中喜代次(THF代表取締役、筑波大学名誉教授)コラム

「認知症疑い例に発達障害や強いストレスが紛れ込んでいる」らしい。
発達障害は、一生継続する特性だと言われている。小児の発達障害が
注目されているが、中高年者でも発達障害の存在を疑う必要がありそうだ。
「高齢者の認知症疑い例に発達障害が紛れ込んでいる可能性がある」と
慶應義塾大学医学部精神神経科特任准教授の山縣文氏と指摘する。
前頭側頭型認知症の影にASD(自閉スペクトラム症:他者と話すのが苦手)、
またMCIと思いきやADHD(注意欠如・多道症:物忘れが多く、じっとしていない)
の例、また、責任感の強い人が交通事故を起こし、被害者のダメージを
心配するあまり、通常の言動ができなくなった例がある。その人は
認知症と診断されたが、損害賠償の問題が解決し、ケガも回復したら、
1年前までの正常な言動に復帰し、誰が見ても認知症とは思えないほどに
元気になった。認知症と診断されていても、認知機能低下の原因が
他にあることにも留意すべき事例がいくつかありそうだと言えよう。
真実の探求は尽きないが、非常に難しいテーマである。

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◆ Academic News ◆

【JAMA】
Weekend Warrior(週末の戦士:休みの日にだけ運動する人)の
健康効果について、英国のコホート研究のデータから検討した。
89,573人(平均62歳、女性56%)を、3メッツ以上の身体活動(MVPA)が
週150分未満の非活動群(33.7%)、週1-2日に半分以上の
MVPAを集中させているWW群(42.2%)、MVPAを分散させている
定期的活動群(24.0%)の3群に分類した。中央値で6.3年間追跡し、
循環器疾患の発症との関連を検討した結果、どちらの活動パターンであっても、
循環器疾患の発症リスクを下げていた。例えば、心房細動のリスクは、
非活動群と比較して、WW群では0.78(95%信頼区間0.74~0.83)、
定期的活動群では0.81(0.74~0.88)、心筋梗塞のリスクは
WW群では0.73(95%信頼区間0.67~0.80)、定期的活動群では
0.65(0.57~0.74)であった。
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2807286

【JAMA Network Open】
アイルランドにおける4016人(平均年齢61.0歳、女性54.9%)を
10.0年間追跡し、身体活動と抑うつリスクとの関連を検討した。
その結果、週400-600メッツ分(週150分の4メッツの活動で
週600メッツ分)という身体活動ガイドラインを下回る程度の
身体活動でも、週0メッツ分の群と比較して、抑うつ症状の
保有リスクが16%(95%信頼区間14%~19%)低下し、
抑うつ発症リスクが43%(34%~51%)低下した。
身体活動量がさらに多ければ、抑うつリスクの減少もさらに大きくなった。
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2807113

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◆気になる健康関連ニュース◆

□ 社会的孤立の高齢者で死亡リスク1.9倍に JAGES研究

社会的孤立の状況にある高齢者はそうでない人に比べて、
3年後の死亡リスクが1.9倍となり、認知症は1.6倍多いことが、
千葉大学予防医学センター健康まちづくり共同研究部門の研究で
明らかになった。「友人との交流や社会参加の促進が、
社会的孤立による健康・ウェルビーイングへの影響を軽減するために
有用かもしれない。」としている。高齢化に伴う社会的孤立が
重要な課題となっており、それによる健康への影響について、
日本では包括的な評価が行われてこなかった。
また、高齢者のインターネット利用の健康・ウェルビーイングへの
影響も評価した。調査に参加した4232人の16年時点での
インターネット利用状況、3年後の健康状況を分析した。
ネットは52.2%が利用しており、ほぼ毎日利用している人では、
全く利用していない人に比べてスポーツの会への参加、友人と会う頻度、
友人の数、日常生活動作(買い物や銀行の引き落としなど)、
健診受診が多くなっていた。
「ネットにより、高齢者の生活の幅が広がる可能性を
示すことができた」と述べ、ICT技術を利用した孤立対策が
期待されるとしている。

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◆ お知らせ ◆
□次号の発刊は、令和5年8月28日(月)です。
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今年初めて寝ている間に熱中症(?)になりました。
7月初めの暑さは世界的に観測史上最高となっているようです。
日中の活動はほどほどに、夜の涼しさ(つくばだけでしょうか?)
の中でお星さまを見ながらお散歩を楽しむのもいいですね。

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