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5月29日号 THF Communication No.265

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■■■                        
■■        THF Communication !!      
■                   <No. 265>
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◆What's New ◆
~最新のTHF関連トピックスを紹介します~

□田中喜代次(THF代表取締役、筑波大学名誉教授)コラム
性差(男女差)医療の重要性
 
先日、NHKテレビで性差医療が取り上げられていた。
病気のかかりやすさは、男性で糖尿病2倍、心筋梗塞4倍、痛風65倍、
女性の場合、うつ2倍、骨粗鬆症3倍、自己免疫疾患9倍とのこと、
大腸がんの発生部位が男女で異なること、さらに薬の効果(副作用)も
男女で異なり、薬を吸収・排泄する小腸・腎臓などの臓器の機能は女性で
弱いため、投薬量は女性で半分にすべきとの勧告が米国で出ているようだ
(ゾルピデム、睡眠薬の場合)。
また、胸の痛みは男性の場合、狭心症(太い主要冠状動脈の閉塞)が
主な原因だが、女性では微小血管への血流減少を起因とする狭心症
であるケースが多く、通常の血管造影検査では見つからないようだ。
脳血管性の認知症は男性に多く、女性ではアルツハイマー型の認知症が
多いことも解説されていた。
薬の臨床研究がもたらしたサリドマイド事件以来、女性を対象とした
臨床研究が激減し、男性に偏重したevidence(バイアス知見)が増えた
ことも性差医療の発展にブレーキがかかったとのこと。
ちなみに、サリドマイド事件とは、1960年前後にサリドマイドという
鎮静・催眠薬の副作用により、世界中の胎児が非常に重篤な被害を受けた
薬害事件(約一万人が死産または上肢なし、指の本数不足、難聴、
心臓疾患などの状態で誕生、約20万人が流産など)のことである。
今後は、性差医療、人種(体質)差医療、年齢差医療などが導入される
時代へと移り変わっていくように感じた。

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◆ Academic News ◆

【British Journal of Sports Medicine】
余暇の身体活動とインフルエンザまたは肺炎による死亡率との
関連を検討した。研究対象者は、1998年から2018年までの
国民健康インタビュー調査に参加した18歳以上の米国成人577,909人で、
2019年までの死亡率を追跡した(追跡期間の中央値は9.23年)。
余暇の身体活動は、有酸素性身体活動を週150分以上おこなっているか
どうか、筋力向上活動を週2回以上おこなっているかどうかを評価した。
分析の結果、余暇の身体活動を実施していると、実施していない者と
比較し、インフルエンザまたは肺炎による死亡リスクは48%低下した。
有酸素性身体活動は、実施時間が長いほど死亡リスクが低くなる関連が
認められた。筋力向上活動については、週2回未満の者と比較して、
週2回ではリスク低下、週7回以上ではリスク上昇の傾向を示した。
https://bjsm.bmj.com/content/early/2023/04/18/bjsports-2022-106644.long

【Journal of Sport and Health Science】
英国におけるデータを利用して、余暇時間の座位行動を
身体活動に置き換えることで、認知症発症および認知症
死亡リスクに及ぼす影響を検討した。
対象者は484,169人(平均年齢56.5歳)で、中央値で
12.4年間追跡した。分析の結果、座位時間が長いほど、
認知症発症率は高く、認知症による死亡率も高かった。
30分間の座位時間を身体活動に置き換えることで、
認知症発症リスクを6%、認知症による死亡リスクを9%低減できた。
さらに、その時間を水泳やサイクリング、エアロビクス、
ボーリングなどの運動に置き換えれば、その効果はさらに高まり、
認知症発症リスクを18%、認知症による死亡リスクを21%低減できた。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2095254622001120?via%3Dihub

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◆ 気になる健康関連ニュース ◆

□ 厚労省 コロナ5類移行後の対応でウェブサイトを開設

厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部は、
5月8日に特設ウェブサイト「新型コロナウイルス感染所の
5類感染症移行後の対応について」を厚生労働省ホームページに開設した。
新型コロナの感染症法上の位置づけが5類感染症に移行し、
新型コロナ対策が個人の自主的な対策に転換したことを踏まえ、
感染症対策や療養期間に関する情報、医療機関へのかかりかたや、
公費支援の内容などをまとめている。また、政府広報などの
関係省庁の情報やQ&Aなども示している。
今後、リーフレット等を更新する際は、同サイトに掲載される。
https://www.mhlw.go.jp/stf/corona5rui.html

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◆ お知らせ ◆
□次号の発刊は、令和5年6月26日(月)です。
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5月になり、夏日も増えてきました。曇りの日はついつい怠りがちな
紫外線対策ですが、毎日のケアをしっかりおこないたいと思います。

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