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11月28日号 THF Communication No.259

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■■■                        
■■        THF Communication !!      
■                   <No. 259>
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◆What's New ◆
~最新のTHF関連トピックスを紹介します~

□田中喜代次(THF代表取締役、筑波大学名誉教授)コラム
カタカナ英語の病名がつく時代に思う

メタボ(メタボリック・シンドローム)、ロコモ(ロコモティブ・シンドローム
:ロコモーションは機関車の車輪の動きなど)、MCI(軽度認知障害:名前は
障害でも認知症ではない未病のカテゴリ)、そして最近になってフレイル
(正しい呼び名はフレイルティ:虚弱、老衰)やサルコペニア(筋肉減弱)、
ダイナぺニア(筋力低下)などが挙げられる。フレイルについては、フィジカル・
フレイル、メンタル(サイコロジカル)・フレイル、ソーシャル・フレイルが
3本柱であるが、これらの他にコグニティブ・フレイル(認知機能の虚弱化)、
オーラル・フレイル(口腔機能の虚弱化)、ペルビック・フレイル(骨盤底機能の
虚弱化)、コンチネンス・フレイル(失禁の進行)なども使われている。

日本の中高年者に対して何故これほどまでにカタカナ英語を一般化させているのだろうか?
誰のための、何のためのメッセージ(カタカナ英語)なのだろうか?
後期高齢者が増加する中、すべての高齢者には日本語でわかりやすく伝えるべきでは
ないか?100歳以上の老人(百寿者)は昭和38年には153人だったが、令和5年度には
確実に10万人に到達する勢いで増えている。団塊世代の一部が超長寿となっていくため、
2050年以降には百寿者が70~100万人にまで増えると推計されている。
その一方で少子化が進行しており、今を生きる高齢者の多くが他界すると日本の人口は
9千万人を下回る事態になる。100年後は7千万人を下回るとも言われており、子供や
中年世代が激減する中での百寿者の日常生活は、予想以上に厳しいものとなるかもしれない。
100歳の親を支えたくても、後期高齢期の子が病気療養中で体力的に困難な例、
体力的に元気でも認知機能の低下で自動車を運転できない例、認知機能が良好でも
経済的に困窮して自動車を所有できない家族が増える時代に移ってくるだろう。
認知症は70歳台から増え始め、5歳ごとに倍増するため、90歳になると半数の人が
該当するようで、近い将来には日常生活に支障をきたす高齢者が一段と増えるだろう。
加えて、心房細動などの不整脈、高血圧、高血糖、高/低脂質、過活動膀胱、膝痛、
脊柱管狭窄症、うつ、不眠などの主訴を抱えて多種類の薬を服用する人(副作用が顕在化
するポリファーマシー)も増えるだろう。このような少子高齢化+超長寿化時代においては、
食事・栄養、運動、睡眠、排尿・排便などの基本的な生活行動を上手く整えること
(“健康長寿のためのスマートライフの構築”)とともに、社会参加による人との
交流促進によって認知機能の低下を抑制し、日々の運動・筋トレ・脳トレ体操によって
骨格筋や脳に刺激を与え続けることが必要である。ロコモ・フレイル・サルコペニア・
MCIなどは、脳・口・心臓・胃腸・関節・筋肉などの不具合(不調、困りごと)を
指している。

高齢になれば誰もが不具合を有しているが、その不具合が悪化しないように、
各自が日々スマートライフを実践し、かつ要介護化抑制策の専門家による支援を受けて
各自の余生の質(End Life Quality)を良好に保持しながら“健康長寿”を実現して
いただきたいと願う。

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◆ Academic News ◆

【British Journal of Sports Medicine】
身体活動と食事の質と死亡リスクの関連を検討した、英国人13,869人を中央値で
11.2年間追跡したコホート研究。解析の結果、中高強度身体活動と高強度身体活動は、
それぞれ低い死亡リスクと関連した。統計学的有意性は認められなかったが、
食事の質がよいほど死亡リスクは低かった。身体活動と食事の質と死亡リスクの関連
について、相加的、相乗的な交互作用は認められなかったが、身体活動と食事の質の
両方が良好な群で、最も死亡リスクが低かった。
https://bjsm.bmj.com/content/56/20/1148.long

【British Journal of Sports Medicine】
身体活動促進に対して、セルフモニタリング単独と比較して、その他の要素を加えた
場合の効果を検証したランダム化比較試験についてのシステマティックレビューと
メタ解析。85の研究に参加した12,057人が対象となった。介入に伴う歩数の変化量は、
対照群と比較して、介入群では926歩(95%信頼区間:651~1201歩)多く、有効性が
認められた。また、追跡調査時においても413歩(210~615歩)多く、有効性が認められた。
https://bjsm.bmj.com/content/56/23/1366.long

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◆ 気になる健康関連ニュース ◆

□ 令和3年国民生活基礎調査結果公表

厚生労働省は、令和3年国民生活基礎調査の概況を公表した。 
国民生活基礎調査は昭和61年より開始され、3年ごとに大規模調査を、
その間の各年は簡易調査を実施しており、令和3年は簡易調査であった。
令和2年は新型コロナウイルス感染症の影響により調査を実施していなかったため、
2年ぶりの調査であった。調査によると、「高齢者世帯」は1506万2000世帯で、
全世帯に占める割合は29.0%となり、ともに過去最高を更新した。
高齢者世帯の世帯構造は、「単独世帯」が742万7000世帯(高齢者世帯の49.3%)で、
「夫婦のみの世帯」が700万5000世帯(同46.5%)であった。
高齢者の「単独世帯」における男女比は、女64.3%、男35.7%で、
年齢構成は、男で「70~74歳」の29.8%、女は「85歳以上」の24.3%が
最多となっている。また、児童(18歳未満の未婚者)のいる世帯は、
1073万7000世帯で、全世帯の20.7%であった。「児童のいる世帯」において、
母の「仕事あり」(非正規含む)の割合は75.9%、1世帯当たりの平均所得金額は、
全世帯平均564万3000円に対し、813万5000円であった。
「児童のいる世帯」における母の「仕事あり」の割合、平均所得金額ともに
過去最高を更新した。

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◆ お知らせ ◆
□次号の発刊は、令和4年12月26日(月)です。
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朝夕の寒さが増してきて、お鍋が恋しい季節になりました。
色々な味を楽しみながら、身体の芯から温まりたいと思います。

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