健康支援事業のコンサルティング会社

6月27日号 THF Communication No.254

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■■        THF Communication !!      
■                   <No. 254>
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◆What's New ◆
~最新のTHF関連トピックスを紹介します~

□田中喜代次(THF代表取締役、筑波大学名誉教授)コラム
第35回日本老年泌尿器科学会に参加した感想

日本介護予防・健康づくり学会内に骨盤底ケア研究部会を設置したこともあり、
情報収集目的で、部会長の辻野和美氏(奈良女子大学、株式会社ホリスティック
ヘルス研究会代表)や部会のアドバイザーの鈴木基文氏(東京都立墨東病院泌尿器科、
医師)らと第35回日本老年泌尿器科学会に参加した(2022年6月10日、11日)。
拝聴したシンポジウムは「高齢女性の骨盤底機能障害の治療とケア」で、登壇者4名
+司会者1名の5名全員と、ランチョンの演者2名の中の1名が女性で、
女性の活躍が顕著だと感じた。講演を拝聴し、握力や歩行速度の低下をフレイル・
サルコペニアと称して不安を煽る研究者の視野が狭いと感じた。
骨盤底機能不全、骨盤底筋の機能衰退をフレイルやサルコペニアでマグニチュード
5~7と仮定すると、握力の低下は1程度と思われる。日常生活機能への影響には
著しい差異が認められることに気づき、対策を講じる研究の発展が期待される。

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◆ Academic News ◆

【JAMA Psychiatry】
身体活動量と抑うつの発症との量反応関係を検討したシステマティックレビューと
メタ解析。15のコホート研究が採択され、あわせて191,130人を対象に解析した結果、
身体活動量が増えるほど抑うつの発症が少なくなる曲線的な量反応関係が認められた。
なにも活動していない人と比較して、ガイドライン推奨値の半分の活動でも抑うつの
発症リスクは18%低下しており、ガイドライン推奨値を満たしていれば25%低下していた。
https://jamanetwork.com/journals/jamapsychiatry/fullarticle/2790780

【Journal of Epidemiology】
日本の65歳以上の高齢者48,216人を対象としたJAGES研究(日本老年学的評価研究)
において、平均5.6年間追跡し、余暇活動と死亡率との関連を検討した。その結果、
余暇活動の数が多くなるほど死亡率が低くなった(調整済みハザード比0.93)。
また、身体活動を伴う余暇活動を実施していると死亡率は低くなるが、文化的な活動や
一人でおこなう活動では死亡率との関連性は認められなかった。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jea/32/6/32_JE20200427/_article/-char/en

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◆ 気になる健康関連ニュース ◆
□ 厚労省 2021年職場の熱中症死傷者数を公表

厚生労働省は、昨年の職場における熱中症による死傷災害の発生状況の確定値を
5月31日に公表した。熱中症による死亡者と休業4日以上の業務上疾病者数(死傷者数)は、
前年比398人減の561人で、このうちの死亡者は20人だった。業種別では、建設業が130人と
最も多く、次いで製造業が87人だった。昨年の死傷災害の特徴として、屋内作業での事例や、
暑熱順化不足が疑われる事例、対応や発見が遅れた事例などがあげられている。過去10年の
年間平均死傷者数は、639人(うち死亡21人)で、記録的な猛暑となった2018年が1178人で
特に多かった。2021年までの直近3年間で、10年間の死傷者数の36.8%を占めており、
熱中症による重篤な労働災害が増加傾向にあることが明らかとなっている。

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◆ お知らせ ◆
□次号の発刊は、令和4年7月25日(月)です。
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梅雨明け前にも関わらず、真夏のような暑さが続いています。有効な温暖化対策を
取らなかった場合、21世紀末(2081年~2100年)の世界の平均気温は、
20世紀末頃に比べて2.6~4.8℃上昇するそうです。
改めて、自分でできることに取り組もうと思いました。

【発行】株式会社THF( support@thfweb.jp
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