THFメールマガジン

■THF Communication!!vol.112

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■■ THF Communication !!

■                    < Vol.112 >

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【 Special contents 】

□田中社長 健康科学コラム

〜運動中に血圧測定をすべきか〜

運動負荷試験(負荷を徐々に高めながら、運動中のエネルギー消費量、心拍数、血圧、血中乳酸濃度などの変化を観察する検査)では、毎分もしくは 2 〜 3 分ごとに血圧を測定し、急激な変化(上昇、下降)が生じた場合には、運動を速やかに中止するという考え方が国内外を問わず主流です。私どもも 1975 年から 1995 年あたりまでアスリート、一般健常者、患者などの運動負荷試験で血圧を測定してきました。しかし、 1990 年あたりから患者の血圧測定に疑問を感じるようになり、 1994 年あたりからは躊躇し(戸惑い)ながらも、測定しないケースが徐々に増え、 1996 年からは原則として血圧測定を除外しています。

 

血圧測定に関する素朴な疑問と測定しない決断理由は、以下の通りです。

【疑問】@運動中に血圧が正確に測定できるのか? A正確に測定できたとしても、血圧が上昇するのは当然だが、高くなれば運動を中止するのか? B運動を中止する基準は年齢や疾患で異なるはずだが、そのような基準は決められていないのではないか? C降圧薬などの影響をどのように考慮するのか? Dふだんの健康増進運動教室(ウォーキング、ダンス、水泳、太極拳など)においても、運動中の血圧を監視するのか?

【理由】@どのような種目であっても血圧は運動中に上昇するため、リスクの高い人に対しては血圧測定の有無よりも、運動(負荷試験をおこなうこと)自体の可否を個人ごとに再吟味するべきである A多段階漸増負荷中やランプ負荷中には、血圧の急上昇や下降といった微妙な経時的変化を正確に測定することが困難である B 230 mmHg 程度までの加圧に時間がかかり、 50 mmHg あたりまでの減圧に 30 秒前後の時間を要するため、患者が受ける心理的プレッシャーと患者の心臓が受けるプレッシャー(心臓の内圧上昇)は看過できるものではない C運動負荷試験中の血圧測定(加圧による血流の抑制や阻止)に伴い、心室性期外収縮が一過性に増える人もいる D血圧を測定することで、呼吸や運動のリズムが乱れやすくなり、他の測定データに影響が出る。

 

2010 年の今でも結論は出ないですが、以上のような理由に基づいて、私どもは運動負荷試験中に血圧を測定しないようにしています。患者の骨格筋(下腿三頭筋、大腿四頭筋)には負担をかけても、心臓には優しいことが望ましいはずです。運動中の血圧変動が大きく、急上昇したり下降すると考えられる人は、そもそも運動教室への参加自体を再検討するとともに、そのような異様な症状が起こる原因の究明と対策が必要と思います。

 

コントロールが不良な高血圧で、かつコレステロールの低い人では、脳出血のリスクが高まることにも留意し、一人ひとりに応じた適切な支援が望まれます。薬は体に良くないから服用せず、コレステロールが低いから安心と錯覚し、安易に運動をおこなうと、脳血管系の事故に遭遇する可能性が高まることに注意が必要です。今回は、大胆に意見を述べましたので、反論もあろうかと想います。読者の方でアドバイスや反論をお持ちの場合には、是非とも遠慮なくお聞かせください。

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◆ Academic News ◆

〜最近の気になる研究や論文情報を紹介します〜

 

【 Obesity Reviews 】
生活習慣改善による減量後の体重維持についてのシステマティックレビュー。健康な過体重の白人を対象とした 22 件の減量介入をおこなった論文について検討したところ、介入期間中の減量の程度とその後 1 年間の体重維持との関連は認められなかった。すなわち、介入期間中の減量が大きいほどリバウンドしやすい、という関係はなく、介入期間中にできるだけ減量目標を達成することが勧められる。
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1467-789X.2010.00740.x/abstract
 
【 Archives of Internal Medicine 】
腹囲と死亡率の関係を検討した米国における大規模コホート研究( the Cancer Prevention Study II Nutrition Cohort )。 50 歳以上の男性 48,500 人と女性 56,343 人を対象に、 1997 年から 2006 年まで追跡した。 BMI と他の危険因子で補正した全死因死亡率は、男性において、腹囲 90cm 未満に比べて 120cm 以上で 2.02 倍( 95%CI 、 1.71-2.39 )、女性において、腹囲 75cm 未満に対して 110cm 以上で 2.36 倍( 95% 信頼区間、 1.98-2.82 )であった。また、すべての BMI カテゴリにおいて、腹囲と死亡率は正の関連を示した。
http://archinte.ama-assn.org/cgi/content/abstract/170/15/1293

 

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◆気になる健康関連ニュース◆

〜最近の健康関連情報を紹介します〜

介護予防事業の見直し

「特定高齢者施策」の名称を改め、地域にあった親しみやすい通称を設定することなどを内容とする告示改正が、 8 月 6 日に厚生労働省より発表された。今回の改正では、これまで地域包括支援センターにて作成していた介護予防事業のケアプランを原則不要とした。さらに対象者の選定に必要とされていた医師による診断を原則廃止し、基本チェックリストを郵送等で確認するだけで良いとしている。また高齢者のニーズに合わせた運動プログラムを作成することで、より多くの対象者の参加を期待している。

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◆ お知らせ ◆

□次号の発刊は、 9 月 27 日(月)です。

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徳島名物の阿波おどりは素人でも参加できると聞き、お盆休みを利用して四国へ!街中でお囃子が響き、独特のリズムで自然と身体と心が弾みました。

【発行】株式会社THF( support@thfweb.jp

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□ 筑波大学田中研究室

http://www.taiiku.tsukuba.ac.jp/~tanaka/index.html

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